医療機関支援

医療機関支援

藤沢総合法律事務所で取り扱う医療機関支援に関する業務について、ご案内します。

顧問制度問題患者に対する対応説明義務などを紹介しております。

医療機関の方でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

 

顧問制度

当事務所では医療機関支援のため、顧問制度を採用しています。顧問契約(1ヶ月5万2500円)を結ばせて頂いた場合には、簡単な書面の作成や相手方との交渉をさせていただきます。詳しくは当事務所までお問い合わせください。
また、顧問契約を結ばない場合でも、通常の法律相談で対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

 

問題患者に対する対応

検査をすすめても検査を受けない患者さんがいます。この場合、医師としては、どのように対応すべきでしょうか。

医師の指示を守らない患者のなかには、具合が悪くなって、医師や病院に対して損害賠償請求やクレームをつける人がいます。この場合、医師は患者に対して検査の必要性を説明すると共に検査を受けるように説得することが必要です。看護師を通じて指示するのではだめです。
なお、あとで「説明した」「説明していない」のトラブルにならないように、ICレコーダーで録音しておくことをおすすめします。

治療費未払いを理由とした診察拒否は許されますか?

医師が患者を診察する場合は医療契約が結ばれていると考えられますが、そもそも契約をするかしないかは、自由であるのが原則です。なので、診療を拒否することも自由なはずなのですが、医師の場合、医師法19条に「医師は正当な事由がなければ、これを拒んではならない」という規定があるため、診察拒否の正当性が問題になるのです。
ただ、この医師の応招義務は直接、医師の患者に対する義務として定められたものではないので、たとえ、医師が正当な理由なく診療を拒否した場合であっても、患者が他の病院を受診できるような場合は、患者に損害が発生しているとはいえないので、民事上の損害賠償責任は生じません。
しかし、医師法19条違反にはなりますので、これを繰り返すと、厚生労働省の行政処分の対象となる可能性があります。
では、治療費未払いを理由とした診察拒否は「正当な事由」があるといえるのでしょうか。
昭和30年医務課長回答では「診療報酬が不払いであってもただちにこれを理由として診療を拒むことができない」とされていることから、問題がややこしくなります。
ただ、このような古い時代の考えが現代に通用するか疑問がありますし、「ただちに」という限定がついているように、未払い額が多額に及び、かつ、病院から何度督促しても支払いに応じない悪質な患者に対しては、以後の診療を拒否できると考えます。
そうでなければ、悪質な患者に目をつけられた医療機関はつぶれるしかなく、そのような結論が非常識極まりないこと明らかだからです。

暴言をはいたり、暴力をふるう患者の診療は拒否できますか?

暴力をふるわれた場合は、診療を拒否できるのは当然です。というよりも明らかに犯罪ですから、警察に通報してください。患者さんだからといって甘い対応をしていると、爾後つけこまれますので毅然とした対応が必要です。
他方、暴言の場合は程度問題です。暴言等が改まらない場合は、診療も拒否できると考えます。
ただし、ICレコーダーで録音するとか、問題行動を時系列で正確に記録しておくこと、問題患者に対して問題行動を改めるように警告することなど、必ず証拠を残しておくことが必要です。

クレーマー問題で警察に相談することはできますか?

恐喝や脅迫されたりしている場合ではICレコーダーに録音してさえいれば、警察は即座に対応してくれるはずです。警察に相談しても相手にされなかったとの相談を受けることがあるのですが、それは録音などの証拠がないからです。警察も証拠がなければ動くことはできません。
問題なのは非常に激しいクレーマーなのだが、犯罪にはあたらない場合です。
この場合、警察に相談しても刑事事件として扱ってはもらえません。
しかし、事前にアポをとれば10分でも20分でも相談にはのってくれるはずです。「何かあったら110番通報してください」とのありきたりの回答がかえってくることになるでしょうが、それでも、ここで警察との連携が密になるので、何かあれば即座に動いてくれるという効果が期待できます。
これは職員に対しても安心感をもたせることになります。医療機関の経営者が何の手も打たないでいると、職員の安全を考えてくれているのだろうかと疑心暗鬼になり、職員の離職を引き起こすことになりかねません。特に優秀な職員ほど引く手あまたですから、優秀な職員ほど離職する可能性が高いのです。そうなった場合の打撃は甚大で、こういった事態はぜひとも防ぐことが必要です。
さらに、クレーマーに対しても「警察に相談した」と告知するのは効果的です。クレーマーとしての言動がやんでしまうことも多いのです。
そうは言っても警察に行きにくいという方々は、各都道府県に設置されている「暴力追放運動推進センター」などの機関に相談してみてください。

 

説明義務

どこまで患者さんに説明しなければならないのでしょうか?

複数の治療方針等の選択肢がある場合は、それぞれのメリット・デメリットを説明して、患者に選択してもらわなければなりません。そして、そのメリット・デメリットを説明する際には、治療法の有効性・危険性について自院の過去の実績や合併症の発症率やそれによる死亡率について、十分に説明することが必要です。
そして、説明したことの証拠は必ず残さなければいけません。この場合、同意書の徴求をしてください。そして、同意書中に、説明した内容を箇条書きでもよいですから、具体的に書いてください。大事なのは、説明したことではなくて、どういうことを説明したかを証拠として残すことにあるからです。
なお、法律的な対処の仕方は以上の通りですが、医師があらかじめ手術のリスクについてきちんと説明し、患者や家族とコミュニケーションを十分にとっていれば、手術に多少問題があったとしても、訴訟には至らないのがほとんどです。逆にいえば、患者や家族に対して日頃から冷たい態度をとっていると、結果が思わしくなかった場合、訴訟の結果はともかくとして、訴えられるリスクが格段に高まることは意識しておいてください。

患者さんが「聞いてもわからないから、説明しなくてよい」と言った場合、説明しなくてよいでしょうか?

だめです。無理やりでも説明を聞いてもらうしかありません。同意書も必ず徴求してください。

癌の告知をすると患者さんがショックを受けるので、本人に告知するのはやめたほうがいいでしょうか?

この問題をややこしくしているのは、平成14年9月24日最高裁判決です。この判決は患者本人に対する告知を控えることは構わないが、連絡が容易な家族には告知しなければならないというもので、接触できた家族にすら告知しなかったことを理由に慰謝料120万円の支払いを命じました。
しかし、これでは病院側が大きな負担を負うことになります。この場合の現場の対応としては、患者本人に対して癌を告知することを常としたほうがよいと思います。
もちろん、その結果、患者が自殺し、患者遺族から訴えられることもありますが、担当医が自殺について具体的に予見することは不可能ですから、損害賠償責任は負うことはないと考えます。

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